マヤ・バーダマンさん著、9月発売の「中学校で学んだフレーズを自然な言い回しに変える言いかえ英語100」を読みました。
この本は中学英語を学び、ある程度話せるようになったけど、言い回しがいまいちしっくりこない、同じ表現ばかり繰り返し使ってしまうという方にぴったりの本です。
読んだ感想とこの本をおすすめする理由を、オンライン英会話講師目線でお伝えします。
中学英語は間違いではない
この本で著者が一貫して伝えているメッセージとして、中学校で習う英語、いわゆる「中学英語」は決して間違いではなく、状況や場面によって不自然に聞こえたり、誤解を招いたりすることがあるということ。
本書では日本と英語圏の文化的背景の違いを取り上げ、どうして中学英語が不自然に聞こえるのか、誤解を受ける可能性があるのか、その理由を丁寧に解説。
すでに身につけた「中学英語」を、どのように言い換えれば自然な表現になるのか教えてくれる本です。
たとえば、216ページの”you had better ~”、中学で「〜したほうが良い」という意味で習う定番の表現ですが、実際には「〜をしないといけない(さもないと、とんでもないことになるぞ)」という、いわば脅しに近い強い表現です。
しかし、この表現も決して間違いではなく、自分や自分のチームに使うぶんには、強い危機感を表すことができ、自然な表現となります。(使い方の例は217ページをご覧ください。)
このように中学英語が決して間違いなのではなく、使う場面や使い方を間違えると誤解を招くことがあるということがわかります。
今使っている表現と「言い換える」のがポイント
英会話講師から見て、この本の優れたところは、すでに使っている表現を言い換えるだけで、より丁寧で自然な表現になるという点。
自然な表現を使えるようなりたくても、今まで使ったことのない表現を覚えて、さらにそれを実際の場面で使うとなると難しいです。
しかし、現時点で使っている表現を一つずつ置き換える練習なら、難易度がかなり下がります。
この実践しやすさも本書の素晴らしい点です。
例文は1つの項目に2個か3個なのですが、「言い換え100」とある通り、しっかり音読しながら読み進めると意外なほど多いです。
しかも音読に便利な音源付きです。音源はGakkenのアプリ「my-oto-mo」で聴くことができます(会員登録も不要です。)
また取り上げた表現は関連した使い方も紹介されており、一つのフレーズの別の使い方も学べます。
例としては42ページの “Take care.”の項目は、”Take care.”はそのまま使えると解説。さらに”take care of ~”や”take a good care of yourself”の使い方の違いも取り上げられています。
丁寧で自然な英語を話せるなりたい人全てにおすすめ
本書では、中学で習う表現が「良い」か「ダメ」かのどちらかではなく、なぜ言い換えた方が良いのか、文化的な違いも踏まえて、自分の気持ちをより丁寧に、より自然な言い方で伝える方法を学べます。
なので、英会話に関わるすべての人におすすめしますが特に…
そんな英語学習中の人々に届いて欲しい本です。
まとめ
オンライン英会話講師としてレッスンをする中で、本書で取り上げられている「中学英語」は多くの生徒さんが使うところを耳にします。
つまり、「中学英語」をすでに使えている人は本書の言い換えをフル活用すれば、それだけでかなり丁寧で自然な英語を身につけられるということです。
中学英語から卒業したい人に強烈におすすめです!!
では、オンライン英会話レッスンで役に立つ書籍に関して、これからも記事にしていきますので、お楽しみに!